Печенье -高卒JOCVのブログ

ピチェーン(печенье)はロシア語でビスケットです。

揚子江の中華ちまき食べたさに皮から自作した

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ハァーイ

北九州は小倉駅の近くに揚子江の豚まんっていう持ち帰り専門の中華料理店というか食品店がある。最近有名らしいシロヤベーカリーの斜め前だ。こっちは言ったことないが。

冷凍の豚まんなどを売っている店ですべての商品がめちゃくちゃおいしく、特に私は中華ちまきが大好きだった。地元では割と有名店で小学生のころ母と小倉まで来た時には必ず買って帰っていたのを覚えている。

外出自粛中、どうしてもこの中華ちまきが食べたくなったが買いに行くのははばかられる。

仕方ない、つくろう。まずはタケノコの皮を干すところからだ。

※今回は全体的に以下の二つのサイトを参考にしました。

https://cookpad.com/recipe/4510237

https://oceans-nadia.com/user/146865/recipe/377754

竹皮の下処理は気長に

タケノコの皮を干せばいいんだろうとは思うが、詳しい作り方はさっぱりだ。「タケノコ 皮 利用」などで検索してみたが、タケノコの調理法や皮の使い方などばかりが引っ掛かった。調べる中であれの名前を竹皮ということをしり、ようやくクックパッドにあったのを見つけた。多くの人が必要としない情報は手に入りにくくなる、という社会が目の前に来ていることをこんなことで実感した。

以降はクックパッドを見ながら進めていく。大まかな流れはこんな感じ。

採取

洗浄

乾燥

平らにする

使用可!

結構時間がかかりそうだ。しかしこちらには暇な時間しかないのだ。相手が悪かったな、竹。

乾燥までを一日で終わらせたかったので朝早くから作業する。職人の朝は早いが、素人はそれ以上に早いのだ(不安だから)。

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朝8時。蚊がすでに騒がしい。

皮は剥がれ落ちる寸前のものがいいとのことだが、いい感じのものが少なかった&めんどくさかったので、1枚ずつはがせそうなものもあわせてとってきた。合計10枚で2:8で新しいやつが多い。

次は洗って表面の毛と汚れを取り除く。一枚一枚丁寧にたわしでこすっていく。職人になった気分が体験できるが、流しが狭く洗いづらいという感想しかない。職人さんも大変だ。

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むしろ洗い場担当といった感じで洗いまくった

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縦が40センチくらい。結構でかい

皮の先端は毛が頑丈であり、また周縁部は丸まってしまい毛がなかなか取れなかったため、はさみで切ってしまうことにした。ついでに下側もでこぼこしたのが気になったので切り落とすことにした。周縁部は切った端から丸まるため、先に洗ってから切ったほうがいいだろう。古いほうはカチカチで丸まりも少なく若干洗いやすかったものの、そこまで手間はかわらないので気にしないでいいと思う。

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竹本体との接続部分。凸凹してたり汚れが取れなかったりする

洗い終わった後には、排水溝に見たことないタイプのごみが詰まっていた。もしオランウータンの子供を洗ったら取れそうな毛玉だ。珍しいが、ちょっと臭かったのでごみに捨てた。

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昔見たイタチのう〇こがこんな感じだった気がする

次は陰干しだがまたもやオリジナリティをだすことにした。というかよく読んでなかったので太陽の下にそのまま干した。洗濯ばさみを駆使しなるべく広がるように干したが絶対に丸くなってやるというタケノコの意志の前には焼け石に水だった。洗濯物と一緒に揺れる姿がほほえましい。昔はこれが春の風物詩だったのだろう。幸いこの日は天気も良く、一日で乾いたので次の工程に進めた。

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初夏に竹皮が揺れる

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6時間でこんな感じ。丸い性格はいいことだが、もう少し自分に素直になっていただきたい

重石を載せてのす。作業としてはこれで最後だ。新聞の間に挟むことにした。しかしこいつら、先ほども言ったが外周が丸まっており、大変作業がしにくい。新聞紙の間に皮を伸ばしながら挟め、手をスライドさせつつ尻を載せて体重をかける。完全に尻でつぶせるようになったら、次の新聞に皮をセットして繰り返すという面倒くささだ。段ボールなら新聞のように全体を抑える必要もなく良かったかもしれない。今後の参考にしてほしい。

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こんなひねくれ小僧もいたが、矯正させていただく

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66キロプレス

倉庫に運び、上からブロックを載せる。このとき上から力をかけながら移動させる方法を思いつかなかったので、結局そのまま移動した。尻の圧力がすさまじかったのか、幸い大きく形が変わることはなかった。もしかしたら新聞で挟む程度の摩擦力でもよかったのかもしれないが、自分が頑張ったという意識が欲しいため考えないことにした。

合計20個のブロックを載せた。約200キロだ。

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しかしここを見てほしい。

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中央に隙間

新聞の中心が膨らんでいるのでブロックに隙間ができている。恐るべき丸まり力だ。

このまま1週間ほど放置する。作業が終わるころにはちまきのことなどすっかり忘れていたが、家に戻ったところで思い出した。完成して完全燃焼しては困るので1週間デスクトップの背景を中華ちまきにして過ごした。

 

さて、1週間後。懸念していた隙間は半分くらいまで縮まり、新聞自体の厚さも随分薄くなった。中身を確認してみよう。

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比較前がないですが半分くらいの厚さになりました

いい感じだ。端はやはり丸まっているが、カビも来ていないし割れてもいないし最高にいい香りがする。おまけに挟んでいた新聞までいい香りが移っている。成功と言っていいだろう。

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やばい目をしてますが香りを楽しんでます

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新聞紙なのにいい香り!面白い!

 

ちまきを作ろう!

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おもて

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それじゃあつぎは料理編だ。

とりあえず炊き込みご飯を作った。揚子江さんに敬意を表し豚肉の角切りをたくさん入れている。後から気づいたが、そういえば大きめの干しシイタケも入っていた気がする。子供のころは肉で頭がいっぱいだったため記憶が抜け落ちたのだろう。ついでにもち米もこのためだけに買うのは気が引けて入れていない。似せる気のなさがばれ始めている。

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もちを刻んで炊き込むともち米を入れたようになる、という裏ワザを覚えていたので試そうとしたが、正月に買った餅はいろんな色に彩られてモサモサだったので速攻で捨てた。

ここからはこっちのサイトを見ながら巻いていこう。

まずは水かぬるま湯で戻すとのこと。あんなにがちがちに干したのにまた水につけるのか……。

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水を吸えば素直に曲がるので小さい鍋しかなくてもたぶん何とかなる。

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まな板で沈める。一番大きい鍋でもギリギリだ。

結構すぐに柔らかくなった。10分もつければ十分のようだ。拭き上げは繊維の中まで水が浸透しているので、上から扱き出すように強く拭いたほうがいいだろう。内面にごま油を塗るとのことだが、使わなくてもくっつかなかったこと、ごま油の香りで皮の香りが上書きされたことから無理して使わなくてもいいと思う。

下4分の1を折ると書いてあるが、どうやら自作のモウソウチクはだいぶでかいらしい。下3分の1で折ってもまだ十分あるので、各自が作る皮のサイズで調整していいだろう。

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まな板が隠れるくらいにはでかい

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ここで折った幅がちまきの1辺の長さになる。と、あとから気づいた。これはデカすぎた。

 

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右に折りたたむ

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折ったところを開くとカップ状になる



あとはサイト通りに折り返しご飯を詰め込み同じ竹の皮で作ったひもで締める。ひもにするには弱いかと思ったが、皮は縦に繊維が入っているため、引っ張る力にかなり強く十分使用に耐えられるようだ。なお、揚子江さんはひもはタコ糸を使っている。この時点で本家を超えてしまった。自分の才能に驚いている。フフン。

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先に角まで詰めるときれいにできるらしい

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擦り切れまで詰める

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まな板側に倒すようにして蓋をする

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重なり合って明らかに要らないところは切る

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初めてのひもづくり

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完成! iPhoneSE(旧型)と縦横同じくらいです(でかい)

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ごろごろできた

たくさんできた。一番大きなものをひとつ持って近くの公園まで遊びに行こう。

我が家は田舎なのでろくな公園もない。最寄りの公園まで車で10分だ(ただし遊具はない)。

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水筒をもって車でハイキングです。ハイキングとは……

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笑ってませんがうまいです

しみじみうまい。揚子江さんのものより甘味が少し足りないが、己の中華ちまき分を満たすには十分なものだ。なにより香りがいいし。

そして後日、竹皮の新たな一面を知る。

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朝ごはんにレンジであっためたものを食べてる時でした

なんとその耐水性と強度ゆえにおかずを載せてもびくともしない。完璧な皿の代用となったのだ。試してはいないが、ご飯を詰めるときのようなコップの形におれば汁物も行けるのではないだろうか。昔の人は本当にいいものを考えたものだ。

 

 

作るのに時間も手間もかかった竹皮。速さが求められる現代ではラップにとってかわられるのは仕方ない。しかし素敵な香りがあり、皿にも使える上になんと洗って乾かせば何回かは使えるらしい。たくさん作るのは大変なので1回分だけ作り、外でお弁当を持って出かけるときに使えば楽しい思い出が少しだけ上乗せされるんじゃないかと思う。いっそ普段の弁当を包んでレベルの違いを見せつけるのも楽しいかもしれない。楽しみ方は無限大だぞ、竹。

 

 

さて、中華ちまき欲は満たされたが次は揚子江の豚まんが食べたくなってしまった。仕方ない、つくろう。揚子江の豚まんはなぜか薄く削いだ木が底に敷いてある。まずは杉の伐採からだ。