焚火料理と青竹焼き
わけあって青竹焼きというのを作ってみた。成功したとは言い難い結果だったが、頑張って作ったので見てほしい。
焚火で料理を作ってみよう
最近、運動不足の解消と山の整備を兼ねてせっせと竹を山から切り出している。
切った竹はさらに短くして庭で燃やしているのだが、このエネルギーを何かに使えないかと思案していた。火力発電所の建設を構想したが、竹は燃えにくいとのことで断念。仕方なく焚火レベルでできることを考えた。
まず焚火といえば焼き芋だろうと思い芋を買ってきた。これでうまくできれば一石三鳥だ。
ちゃんと時間を計らないからこうなる。しかししかし、外は真っ黒だが中は黄金色の見事な焼き芋になっていた。可食部はだいぶ少なかったもののスモーキーな香りと濃厚な甘さがたまらなかった。やったぜ一石三鳥成功だ。
ほどほどの成功を得たところで次は卵を行ってみよう。
だって卵の丸焼きなんて見たことないだろ?
どのレシピサイトにも作り方が載ってないのでわからないが、ゆで卵を基準にして、高温ということを考えて10分とした。結果しっかり焦げた。さあ、中身はどうなっているだろうか。
味は、焦げたゆで卵……いや、丸くて固焼きの目玉焼き……。そんなものはない。まあ、そんな感じの味でした。未体験も未体験だよこんなの!
青竹焼きへの挑戦
はい、ここから本題です。
じゃあ、次なに焼こうかなーって考えてたら、有り余る竹を使った青竹焼きに行きつくのは必然ですね。
青竹焼きっていうのは美味しんぼに出てきた料理で、青竹に白身魚を入れて、網脂でくるんで青竹に入れて蒸し焼きにするっていう料理。むかし歯医者の待合室で読んだ思い出のある料理です。
じゃあやってみましょう。
竹を一節分とってきて、鋸で斜めに切れ目を入れたのちに、鉈で切れ目がつながるように割ります。ちなみに私は木工とかDIYとか得意でも慣れてるわけでもありません。
なのでこのように木工脳があればしないであろう失敗をします。この方法だと失敗するということがわかりました。
反対側は切れ目の真ん中に鉈を当てるとうまくいきました。
次は食材を入れるフェイズなんですが、いい感じの魚がなかったので鶏むねで代用します。網脂はありませんでした。代用できているのかどうかわかりません。これでは調理師やってたと信じてもらえない。味付けは塩、酒、水です。
30分くらい火にかければいいかなーて思ってたら、時計が止まってるのに気づかず多分45分くらいにやってました。どうなるやら……
完成したけどあんまり……
御開帳です。
竹のにおいよりも煙の臭いのほうが強く感じるな……
まあいいや、食べてみよう。
特筆するようなにおいもなく、ただのおいしい蒸し煮でした。やっぱりかー。
実はこれ予想済みで、美味しんぼや各所でやっている青竹焼きは長い竹を使うことで、香りやエキスを食材に移すというものらしい。太い竹ならワンチャンあるかと思ったけど、そんなことはありませんでした。
プランBに移行します。
こいつは竹の表面の青い部分だけを削いだもの。一つかみはあります。
こいつをさっきと同じように入口を作った竹(今度はきれいに蓋が作れた)に押し込んで、食材と調味料を再度入れて、アルミホイルくるんで焚火へ!これだけの青さがあれば圧倒的な香りがつくはず!
一応成功! しかし強烈!
そんなこんなでできました。作るときに時計が止まってるの忘れててまた45分くらいやった。阿呆め……。
しかし心配もつかの間、蓋を取った瞬間から青竹の香りが素晴らしい。お皿を取りに家の中に行ったが、その間に玄関中に香りが広まっていた。とてもさわやかな気分になるし、味にも期待が持てる。
いただきまーす。
にっがい!!! 猛烈に苦いぞ!!!
炭が入ったとか(入ってるけど)そういう苦さじゃなく、薬草的な苦さが半端ない!
青竹焼きを作った人は大体竹の甘味が素晴らしいと書いている。しかし、竹は入れすぎると苦みになるのだ!
そして、苦みの衝撃のあとに気づいた。呼気が青竹なのだ!! 深呼吸すればするほど青竹が鼻を通り抜ける。こんな面白い感覚初めてでわらってしまう。
まとめ
長い竹は節を抜くのが面倒で、短いもので何とかできないかと思案し、この調理法に至った。結果、竹の青い部分を削ぐなど余計に工程が増してしまった(職人になったみたいで楽しかったけどね!)。竹の量を加減し、時間をしっかり図ればいいものが出来上がるんじゃないかと思う。毎日の調理でするのは大変だが、家族が集まるときなど、にぎやかしの一つにつくってみてもいいんじゃないかと思う。